その都市はクロノス大陸の中心に位置し、大陸中の全ての街をつなぐ貿易の中継地点であった。
大陸各地から様々なアイテム、クロ、知識、文化、思想、民が流入し、その繁栄は商業的なもののみに留まらなかった。

都市の長老達は貿易により生み出された莫大な利益を、学問や魔法の研究に注ぎ込み、都市は大陸の"知"を司る場所となり、いつしか"魔法都市"と呼ばれるようになった。

しかし千年に及んだタルタノス戦争の最中、橋は破壊され、航路は絶たれ、今現在、魔法都市がどうなっているのかは誰も解らない。いつからか民衆の間では魔法都市に関する様々な噂話がされるようになった。

その扉には文字が書いてある。
「叡智は幸運の扉によって守られる。知の力によってのみ幸運はほどかれる。」
この扉の向うにあるのが魔法都市であるのかどうかは定かではないが、幾重にも重なる謎により何かが守られているらしいのは間違いないようだ。

知力という武器をもってしか破ること の出来ない、これは正に防壁である。
防壁に守られているものは、魔法都市なのか、 それとも強大な力か、莫大な富か。