……ここは知の世界。
純粋な知のみが存在出来る場所だ。
ここには倫理や道徳、感情や理性、肉体やそれを取り巻く環境といった曖昧さは存在しない。
ここにあるのは、決して揺らぐ事の無い厳然たる論理と
それを司る知である。
そなたがあの扉を見つけた時から始まっていたのだ。
謎を解く度に破壊してきたもの、費やしてきたものは、
全てそなた自身の"曖昧さ"である。
曖昧さを無くす程に純粋な知に近づける。
あの扉を見つけた者は、決して引き返す事は出来ない。
己の曖昧さを破壊しながら、ここまで進み続けるしかない。
謎を解く事が出来ずとも、曖昧さを破壊しさえすれば、
この知の世界の入り口までは来る事が出来るようになっているのだよ。
しかし、ここは知の世界。純粋な知のみが存在出来る場所。
知力を以って謎を解き明かす事が出来なかった者は、
この知の世界で唯一存在する事が出来る"知"を否定され、
己自身の存在を止めるしかないのだ。
扉を見つけたら引き返せない。
全ての謎を解かなければ存在する事すら出来ない。
あの扉の存在を知る者は、我々5人以外には居ないのだよ。
そなたを除いてな。
そして、そなたはいまだ此処に存在している。それが答えだ。
我々の役目を果たす時が来た。 |