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  ……ここは知の世界。
純粋な知のみが存在出来る場所だ。

ここには倫理や道徳、感情や理性、肉体やそれを取り巻く環境といった曖昧さは存在しない。

ここにあるのは、決して揺らぐ事の無い厳然たる論理と
それを司る知である。

そなたがあの扉を見つけた時から始まっていたのだ。
謎を解く度に破壊してきたもの、費やしてきたものは、
全てそなた自身の"曖昧さ"である。
曖昧さを無くす程に純粋な知に近づける。

あの扉を見つけた者は、決して引き返す事は出来ない。
己の曖昧さを破壊しながら、ここまで進み続けるしかない。
謎を解く事が出来ずとも、曖昧さを破壊しさえすれば、
この知の世界の入り口までは来る事が出来るようになっているのだよ。

しかし、ここは知の世界。純粋な知のみが存在出来る場所。
知力を以って謎を解き明かす事が出来なかった者は、
この知の世界で唯一存在する事が出来る"知"を否定され、
己自身の存在を止めるしかないのだ。

扉を見つけたら引き返せない。
全ての謎を解かなければ存在する事すら出来ない。
あの扉の存在を知る者は、我々5人以外には居ないのだよ。
そなたを除いてな。

そして、そなたはいまだ此処に存在している。それが答えだ。
我々の役目を果たす時が来た。

  彼:
「あんた達の役目ってのは?」
5人の霊:
「ナビタスの地に封印された遺産を受け渡す事だ。」
  彼:
「遺産?」
5人の霊:
「ある研究の結果生まれた"知"だ。しかしその研究はいまだ完成していない。
  完成させる事が出来なかった。研究を完成させる為に我々は、
  我々よりも優れた知力を持つ者にこの研究の続きを託す事にした。
  その為に此処がある。これよりそなたに我々の遺産の全てを受け渡そう。」
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  彼:
「あんた達、魔法都市の賢者だったのか。」
5人の霊:
「そう、我々の生まれ故郷だ。魔法都市での日々は憶えている。
  ここでは懐かしさを感じる事も出来ないがな。」
  彼:
「あんた達、自分達には名前が無いと言ったな。」
5人の霊:
「ああ、あれは嘘だよ。論理に偽りはつきものだろう。」
  彼:
「本当の名前は?」
5人の霊:
「そなたが知る必要はない。」
  彼:
「あんた達はこれからどうするんだ?」
5人の霊:
「存在を続ける事が出来たなら、さらなる謎を作る事にしよう。
  退屈を感じるわけではないが他にする事もないのでな。」
  彼:
「俺は現実世界に戻れるのか?」
5人の霊:
「ああ。現にそなたは今だんだんと現実世界へ向かっている。
  その証拠に今しがたそなたが我々に投げかけた質問の数々は、
  好奇心に満ちた実に人間らしいものだった。
  おかげでこの知の世界が歪んでいるよ。」
 
 
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